今回は、建築費用が安く建築期間が短いという特徴を持つ、3Dプリンター住宅の購入方法について紹介します!
また、3Dプリンター住宅のメリットとデメリットについても解説します。
3Dプリンター住宅とは
3Dプリンター住宅とは、3Dプリンターで印刷して建築する住宅のことです。
工場であらかじめ住宅のパーツとなる部材を3Dプリンターで作り、それらを現場に運んで組み立てる工法や、建設現場に3Dプリンターを運び、その場で住宅のパーツを作り、建築する工法などによって建築されます。
材料にはコンクリートやモルタルなどが使用されることが多いのですが、高温多湿な日本の気候風土に適した材料を模索する企業もあります。
3Dプリンター住宅は災害発生時の仮設住宅として使用することもできるため、地震や台風で家を失った被災者の課題を解決するテクノロジーとしても注目を集めています。
3Dプリンター住宅のメリット
低価格かつ短期間で家が建つ
3Dプリンター住宅は、既存の鉄筋コンクリート造住宅と比較すると大幅にコストを下げ、期間を短縮することができます。
国内の3Dプリンター住宅メーカーであるセレンディクス社では、44時間30分(約2日)の建築期間で50㎡の3Dプリンター住宅を550万円で販売した実績があります。販売時は問い合わせが殺到したとのことです。
人手不足が問題となっている建築業界にとって、これは革命的なテクノロジーであり、今後も3Dプリンター住宅の需要は伸びることが予測できます。
デザインの自由度が高い
3Dプリンターに設計データを入力すれば、機械が自動的に材料を積み重ねて正確に作業を行うことができます。
そのため、人が建築する場合に難しいとされる曲線や特徴的な形状の壁を実現することができます。
オシャレな家にこだわりたい人の多様なニーズを、3Dプリンター住宅は叶えてくれます。
3Dプリンター住宅のデメリット
耐用年数が短い
鉄筋コンクリート造はもちろん、木造住宅よりも3Dプリンター住宅は耐用年数が短いのです。
はっきりと評価されていないため、具体的に何年なのかは示せませんが、10-15年と言われています。
建築許可を得るまでに時間がかかる
地震や台風といった自然災害が多い日本の建築基準法は非常に厳しいです。
そのため、3Dプリンター住宅の建築許可が得られるまでに長い時間を要します。
3Dプリンター住宅メーカーが建築基準法をクリアした事例は少なく、今後の技術発展が望まれます。
<建築基準法をクリアした3Dプリンター住宅メーカー>
会社名 | 建築物名 | ソース |
セレンディクス社 | Sphere | 1LDKで550万円 3Dプリンターで作る家に「2人で住める」新タイプ – ITmedia NEWS |
大林組 | 3dpod | 3Dプリンター実証棟「3dpod™」が完成 | ニュース | 大林組 |
Lib Work | modelA | 3Dプリンターハウス 「Earth House」 | リブワーク【公式サイト】熊本・佐賀・福岡・大分・千葉で注文住宅を建てる|住宅メーカー(ハウスメーカー) |
3Dプリンター住宅の購入方法
2024年時点で3Dプリンター住宅を販売している会社を調べてみると、セレンディクス社がヒットします。しかしその他の会社では販売情報が見つかりませんでした。
ただし、Lib Work社は販売を予定しているようです。
会社名 | 販売状況 | ソース |
セレンディクス社 | 販売中 | Serendix.com |
Lib Work | 販売予定(2025年~) | 3Dプリンターハウス 「Earth House」 | リブワーク【公式サイト】熊本・佐賀・福岡・大分・千葉で注文住宅を建てる|住宅メーカー(ハウスメーカー) |
セレンディクス社では既に販売実績があり、リンク先に飛ぶとお問い合わせ先から購入希望を伝えることができます。
2024年12月現在、販売モデルとしては下記2つの3Dプリンター住宅があります。
商品名 | 床面積 | 参考価格 |
serendix10(スフィアモデル) | 10㎡ | 330万円 |
serendix50(フジツボモデル) | 50㎡ | 550万円 |
スフィアモデルは床面積10平米、価格330万円、24時間以内の総施工時間で、様々なメディアで取り上げられました。
暮らし向きではありませんが、グランピングなどのレジャーや、趣味のスペースなどにオススメです。
フジツボモデルは床面積49平米、価格550万円、48時間以内の総施工時間で完成します。平屋建て1LDKで、鉄筋コンクリートRC造です。
こちらは6棟のみ販売したところ、10000件以上の問い合わせが来ているようです。
23区の新築マンション平均の価格が1億円を超えている現在、このようなテクノロジーで誰もが住宅を持てる未来になるといいですね。
まとめ
今回は3Dプリンター住宅のメーカーや購入方法について紹介しました。
23区内の新築マンションの平均価格が1億円を超える日本では、戸建て住宅も建材費の高騰などで住宅を持てる人の数は減っていることが予想されます。
ドルやユーロに対する円安や戦争の影響で、建築費は今後も高騰すると考えられます。
そのような個人ではどうしようもない問題を解決してくれるのは、3Dプリンターのような科学技術です。
今後もセレンディクス社をはじめ、国内の3Dプリンター住宅メーカーが発展していくことを望みます。
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