YouTubeで人気を集めている「令和の虎(タイガーファンディング)」。
起業や事業拡大を目論む志願者が、成功している社長(虎)たちに投資や融資を依頼する本番組は、様々な人間模様と各人の熱いやり取りを臨場感満載で味わうことができます。
中には百戦錬磨の社長たちも唸るほどの優秀な志願者も登場し、たびたび視聴者を楽しませてくれます。
今回は、そんな志願者の中でも特に高い評価を得ている鈴木宏明さんの出演回および鈴木さんの現在について詳しく解説します。
本記事では鈴木宏明さんの出演回の後編と現在にスポットを当てて解説します。前編の内容は以下をご覧ください!
その他、令和の虎に出演された志願者・成功者については以下にまとめています!
そもそも令和の虎(タイガーファンディング)とは?
令和の虎(タイガーファンディング)は、YouTubeで配信されているガチンコ投資番組です。
起業や事業拡大を目論む志願者が、その計画を投資家たる社長(虎)たちにプレゼンし、投資や融資などを募ります。希望額に達した場合はその場で札束を受け取れるという夢のある番組です!
本番組は、過去に日本テレビで放送されていた「¥マネーの虎」を令和版として復活させたものであり、主宰および司会は¥マネーの虎に社長として出演していた岩井良明さんが務めています。
令和の虎は、ビジネス的な知識や考え方を学べることはもちろん、社長や志願者それぞれが個性的な面を持ち合わせており、焼け付くようなヒリヒリとしたやり取りを臨場感たっぷりに味わえる番組です。
そして、今やビジネス層だけでなく若者や主婦からも注目を集めている人気番組です!
令和の虎の神回:キャビア王国の鈴木宏明さん出演回とは
志願者の中には、百戦錬磨の社長たちも唸るほどの優秀な方が多数いらっしゃり、たびたび視聴者を楽しませてくれます。
345人目の志願者の鈴木宏明さんもその一人です。
結論として、鈴木さんは条件付きながら番組史上最高となる4,000万円を手にします。
一体どのようなドラマが展開されたのでしょうか。詳しく解説します!
そもそも鈴木宏明さんとはどんな人物?
鈴木宏明さんは、チョウザメの養殖とキャビアの製造を行う株式会社キャビア王国の国王(代表取締役)です。
鈴木さんは日本3代秘境に数えられることもある宮崎県椎葉村に生まれます。
大学卒業後は大手通信会社に就職し、その後、フィリピンへの留学を機にUターンし、家業の建設業の傍らでチョウザメ養殖業に従事します。
そこで、低温殺菌を行っておらず素材本来の味を楽しめるキャビアブランド「平家キャビア」の立ち上げや、世界初のワインを使ったキャビアにフレーバーを付ける技術を開発するなど、キャビアに関する事業を拡大していきます。
2021年7月には都農ワインキャビアの製造工場として株式会社キャビア王国を設立します。
鈴木さんが生産するキャビアは、ふるさと納税のキャビア部門で1年間1位を取り続けるなど、実績も申し分ないです。
前編のおさらい
後編を解説する前に、前編について簡単におさらいします。
実はタイガーファンディング2回目のチャレンジとなる鈴木さん。
1回目のチャレンジで見事オールになったものの台風の影響で事業に甚大な被害を被ってしまったため、もう一度出資をお願いしたいとのことで4,000万円の出資をお願いしたく出演されたそうです。
復旧の目途や再発防止策、今後の展望などについて熱い議論が交わされる中、1回目の鈴木さん出演回にて虎として出演していたトモハッピー社長から100万円の出資が決定します。
鈴木さんはこのまま希望額まで出資してもらうことができるのでしょうか。
前編の詳細は以下にまとめています!
鈴木さん出演回(後編)をブロックに分けて詳しく解説
今後の展望について虎との攻防はまだまだ続く
寺田社長から、売上がどれくらいになれば5年後の目標である営業利益1億円に到達するのかを問われます。
鈴木さんは、5億円程度で、今3歳の稚魚が1000匹いれば到達可能と言います。また、被災前は1500匹の稚魚を保有していたため、5億円以上の売り上げを見込めたと語ります。
三浦会長からは、1匹のチョウザメからどれくらいのキャビアを採取できるかを問われます。
鈴木さんは、8歳のチョウザメから平均で1.3kg採取でき、現在20gを1万円で販売していることから、1匹当たり65万円の売り上げが見込めると語ります。
また、キャビアの価格が高いことからチョウザメの魚肉を捨ててしまう業者が多い中、チョウザメの魚肉をハンバーガー用のフライにするための商品開発を進めていると付け加えます。
リスクに関する議論が再熱、自然災害の懸念はやはり大きいか
ここで高澤社長が再度自然災害のリスクを懸念します。
5年後に売上5倍にするために必要な自然災害に対しての見立てが甘いのでは、また初期投資をかけてでも池の立地を変更するなどの大規模な対策ができないのかを問います。
鈴木さんは、池を補強することと池を複数地域に分散させることを対策として考えており、特に分散については今池がある宮崎県椎葉村以外の自治体と連携して計画を進めている最中と回答します。
土地の買収や各種費用の半額出資についても話が進んでおり、そこが成功事例となれば他の自治体とも連携していけると語ります。
ここでFumi Sugita社長から高澤社長に反論が飛びます。
全てのリスクに対応できるような対策が望ましいが、現実問題それは難しいため既に対策を練られているのであればそれで良しとするべきではと語ります。
それでもどうしても不安がぬぐえない高澤社長。一次産業において避けられないかつ即時の対策が難しい自然災害リスクは利益率よりも先に検討していくべきものだと述べます。
対してFumi Sugita社長は、それは理想論と一蹴します。抹茶を扱う事業を展開するFumi Sugita社長は、一次産業のリスク回避の難しさを語ります。
続けてFumi Sugita社長から、利益率が多少減ろうとも協力会社やパートナーに協力を仰ぐことがリスクヘッジになるのではと別視点からの助言をされます。
それに加えて寺田社長は、若い稚魚は他の取扱店で育ててもらう、ある程度成熟したチョウザメは鈴木さんの手で育てるという分担はどうかと提案します。
鈴木さんは、成熟したチョウザメはもうすぐキャビアを採取できるため価値が高く、他の取扱者も高値でしか売りたがらないため、利益を上げにくいと語ります。
三浦会長は、結局のところどこにゴールを持っていくかという考え方が大事であると語ります。
設備投資が莫大であれば、手法を確立している会社に吸収してもらい対策を依頼することも考えられる一方、バイアウトせず自身の手で長期的に対策をしていくのであれば利益を回しながら対策をより強固なものにしていくことも考えられると語ります。
一方で、設立から約1年の鈴木さんの会社で莫大な設備投資は難しいと考える三浦会長は、バイアウトをして吸収元の協力を仰ぐ方が合理的ではと提案します。
鈴木さんのチョウザメに対する強い信念、虎たちは何を思う
平出社長から、キャビアの事業を辞めようと思ったことはないかを問われます。
対して、被災により事業を続けられないと心が折れそうになったタイミングもあったと語る鈴木さん。
それでも、田舎あまりが好きになれず、上京後にUターンで田舎に戻ってからも居場所がなかった自分に、様々な出会いや経験の場を与えてくれたチョウザメは自分の人生を変えてくれた存在と語ります。
そして、チョウザメに運命を変えてもらった自分が、今度は絶滅危惧種のチョウザメが、絶滅してしまうという運命を変えたいと考えキャビアの事業を始めたため簡単には辞められないと最後は涙ながらに心の内を打ち明けました。
辞めたい、辞めたくないではなく「辞められない」と言うところに責任感を感じたと三浦会長。
岩井社長は鈴木さんにラストステートメントを促すも、先ほどの言葉で伝えきった鈴木さんは特にないとの一言。
これにて鈴木さんのプレゼンテーションは終わりを迎えました。
惜しくも希望額に届かず、、しかしある虎から提案が
虎の最終決断は以下の通りとなり、トモハッピー社長の100万円を加えて3,677万円まで積みあがりましたが、希望額の4,000万円にあと323万円届きませんでした。
- 1枠:平出社長
→777万円(前回出資:100万円 + 今回出資:677万円)
一言:今までで最強の志願者と思っており応援している。 - 2枠:Fumi Sugita社長
→800万円
一言:復興後に国内シェアを牛耳って、是非世界にも挑戦してほしい。 - 3枠:寺田社長
→500万円
一言:思いもすごいし優秀な方。災害で事業がパーになってしまうのは個人的にも嫌なため、応援の意味も込めた。 - 4枠:高澤社長
→500万円(前回出資:100万円 + 今回出資:400万円)
一言:稚魚が3,000匹も被害にあったというところに鈴木さんの苦労を感じ、それでも頑張ろうとする鈴木さんとこれからも一緒にいたい。 - 5枠:三浦会長
→1,000万円(前回出資:100万円 + 今回出資:900万円)
一言:投資家として今の現状で出せる金額。ただし、これから被災したり設備投資が必要になった際には最後の最後まで付き合いたいし出資したい。
惜しくも希望額に達しなかった鈴木さん。
しかしここで、三浦会長からある提案がされます。
それは、鈴木さんが元々計画していたクラウドファンディングで323万円集めることができれば、今回積みあがった3,677万円と三浦会長が追加で出資する323万円の合計4,000万円を出資するという、いわゆる「条件付きALL」というものでした。
この三浦会長の提案に全ての虎が乗っかる形となり、条件付きながら見事ALLとなりました。
最後に岩井社長から、皆さんの応援を含めて鈴木さんが思い描く事業を達成させてあげたいと心から思う。是非クラウドファンディングにご協力をお願いしたい、とカメラ目線で視聴者に投げかけます。
最後に鈴木さんから一言。
被災して1か月ちょっとだが、前を向いて頑張ろうという気になってきた。これからもっと頑張っていくので応援よろしくお願いします。
こうして、己の信念と真剣に向き合った結果、条件付きながら番組史上最高となる4,000万円を手にした鈴木宏明さんの神回が幕を閉じたのでした。
鈴木宏明さんの現在
鈴木さんはその後、条件として課されていたクラウドファンディングで323万円を調達するという目標をたったの24時間で達成され、無事4,000万円を出資いただくことに成功したようです。
土砂で埋まってしまった池は、2023年1月には魚を入れられる手前まで復旧が進んでいます。
また、被災で8,000匹から3,000匹まで数を減らしてしまったチョウザメも2023年8月現在で4,000匹まで数を増やしていると、キャビア王国の公式Youtubeチャンネルで報告されています。
順調に資金調達と復旧が進んでいるため、今後の鈴木さんの活躍が楽しみですね。
鈴木さんやキャビアに興味を持たれた方は、前編で虎も試食していた平家キャビアを是非食べてみてください!
まとめ
今回は、令和の虎の志願者の中でも特に高い評価を得ている鈴木宏明さんの出演回について詳しく解説しました。
番組史上最高額を獲得したプレゼンテーション力はもちろん、目先の利益だけでなく自分の信念や責任感と真剣に向き合う鈴木さんの姿は、誰しも見習うものがあると思います。
本記事が、鈴木さんの生きざまを通して自分を見つめなおすきっかけになると幸いです。
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